量産工房さんから7月特集関連のネタが届きました!
以下のとおりです。
キャンプの思い出
量産工房/記
古い話になってしまうが、キャンプに関する思い出話。
職場の課長の提案で、課内の有志でヤンバルへキャンプに出掛けたことがある。
第一の目的地は、標高289メートルの玉辻山の登山。
第二の目的地は、ター滝を目指した川登り。
総勢30人ほどでの強行軍で、私は当時小学生だった息子を連れて参加した。美鈴は参加していない。
山登り、川登り、どちらも初体験だったが、経験者に先導されていたのでわりと楽に楽しめた。
日が暮れる頃、国道58号線沿いの海岸へ車を止めてキャンプすることになった。
夕食は、そこから数キロ離れたコンビニ等からの買い出しとでBBQをして楽しんだ。
余興で花火をしたりしたが、自然豊かな山原ということもあって、蛍も数匹見つけることができて息子にとっては自然に親しむいい思い出になったと思っている。
そんなこんなで少し夜更かしをした翌朝、事件が起こった。
まだ日が昇りきらない明け方、何かがぶつかる音が響き渡って、皆が何事かと跳び起きた。
薄暗い中、私たちがキャンプをしている岩礁から1メートルほど離れた岩礁に目をこらすと、乗り上げた水上バイクと血だらけで倒れている青年の姿が見えた。
これはたいへんだということで、救助のため課員のひとりがその岩礁に飛び移った。その間に、携帯で救急車も要請した。
岩場は青年の流した血で赤く染まっていて、かなり心配された。
助けた青年は、かなりの出血があったものの命に関わるほどのものではなかった(と思う)。
どうやら酒を飲んで酔った状態で水上バイクを走らせ、知らず知らずのうちに海を渡ってきて、かなりのスピードで岩礁に激突。
鋭い岩場に投げ出されて大けがをしてしまったということらしい。
青年は意識もあって、恐縮しながら感謝の言葉を繰り返し述べていた。ところが、もうすぐ救急車が来ることを告げられると態度が急変。
手当等を拒んで、私たちが止めるのも振り切り、傷ついた水上バイクに飛び乗って再び沖へと遁走して行ってしまった。
どうやら飲酒運転がばれて大事になるのを恐れたらしい。
到着した救急車の救急隊員は、血だらけの現場を確認したものの、当人を追いかける手段もなく、そのまま帰っていくこととなった。
半時ほどの出来事だった。
あの時の青年がどこから来て、その後どうなったのか。まったくわからない。
今なら、SNSのネタとして写真や動画を撮りまくるところだろうが、当時の現場を撮影した写真はない(たぶん)。
突然のハプニングとして、キャンプに参加した一同の記憶、思い出に残るだけである。