編集部からは最近読んでみた「沖縄オバァ烈伝／沖縄オバァ研究会・編　双葉社」について触れてみましよう。

今読むと「沖縄オバァ烈伝」は
時代と記憶を記録していた

　実は「沖縄オバァ烈伝」をちびちび読んでいて面白買ったので、今回の特集を「オバァ」にしました、

　この「沖縄オバァ烈伝」は2000年に双葉社から発行され、沖縄オバァ研究会という13人の共著からなる本です。執筆者は飯塚みどりさん、岩戸佐智夫さん、下川裕治さん、平良竜次さん、塚田恭子さん、てんぶーたーの三男さん、中島栄子さん、仲村清司さん、東恩納亨さん、藤木勇人さん、前泊清美さん、宮城一春さん、島袋直子こと私もその一人に入っていました。

　内容は双葉社サイトによると「年老いてもなお、デカイ顔で沖縄社会を牛耳っている沖縄のオバチャンたち。経験に基づく智恵、転んでもタダでは起きないタフさ。人間を超越している感すらある彼女たちの哲学と“老人力”のパワーの秘密を徹底取材した、おもしろルポ・エッセイ。」とあります。執筆にあたっては私自身の思い出のオバァの話を綴ったり、あちこちのオバァを訪ねて取材にも出かけました。

　イラストに関しては、編集の方に「コミックおきなわ同窓会スペシャル」を見せると、てんぶーたーの三男先生を気に入ってくれて決定しました。てんぶーたーの三男先生とは、私がオバァファッションについてレポートするために、小さな軒を並べたオバァが店主の新天地市場に一緒に繰り出して、そこで直接オバァに話を聞いてみたりしました。

　現在は新天地市場自体がもう無くなって駐車場になっているし、あの頃のオバァも存在しているのかどうか。そして、てんぶーたーの三男先生にイラスト化してもらったオバァファッションも現在はすっかり様変わりしています。あの頃定番だったグレーや薄紫の小花柄のワンピースを着たオバァはもう見当たりません。ヤーカラチャーの定番だったムームーを着てるオバァはまだいるのでしょうか？

　他にも取材した公設市場は建て替えて新しくなり、他の著者も触れてる桜坂エリアはすっかり様変わりしています。文中には「沖縄戦を生き抜いたいわゆるオバァと若いオバァが存在する」というのが書かれてますが、発行当時の2000年から20年以上も経つと、今では若いオバァがオバァになってる頃。今のオバァは時代感覚も新しくなり、おしゃれでスマートになったように思います。

　また、自分が書いた思い出のオバァのエピソードは今思い出そうとしてもすっかり忘れてしまってますが、2000年の執筆当時には私の記憶もまだ鮮明だったので、おかげでしっかり記録されています。あの当時に書いておいて良かったと思いました。

　他にも私が書いたものでは「コミックおきなわ」に登場するオバァキャラについての解説もあります。それを見ても「沖縄戦を生き抜いたいわゆるオバァ」感が出てますね。

　この本は好評でのちにシリーズ化されました。私も「続・沖縄オバァ烈伝　オバァの喝！」「沖縄オバァ烈伝番外編　オジィの逆襲」あたりまでは参加しました。

　今読み返すと2000年ごろの時代と、もう思い出せなくなった記憶を記録していたと思わせるこの本。興味のある方は読んでみてくださいね。絶版になってるので電子書籍が読みやすいかもです。

沖縄オバァ烈伝

オキナワオバァレツデン

著 :沖縄オバァ研究会 (オキナワオバァケンキュウカイ)

発売日：2000.01.25
定価：1,430円 (本体1,300円)
判型：四六判
ISBN：9784575290615

電子書籍
https://www.futabasha.co.jp/book/97845757123910000000?type=1

試し読み
https://reader.futabasha.co.jp/s?cid=97845752906150000000

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